プロローグ
「・・・OSたん's ?」
「そうだ。最近勢力を伸ばしている謎のOS組織だ。
あのふたばから生まれたものらしいが、詳しい事は分かっておらん。
至急その組織に潜入して、全てのOSの情報を調査してくれ。
これがターゲットのリストだ」
「Me、XP、2K、OSX、95・・・・ウホッ! いいOS!
フフ、OSの世界は広大だわ」
インターフェイス接続成功。防壁は全て解除した。
これよりターゲットの電脳をハックする。
・・・フフ、ずいぶんと無防備なOSなのね。
たっぷりとウイルスを注ぎ込んであげるわ。
セキュリティホール発見。侵入開始。
これよりターゲットの電脳をハックする。
フフ、Windows Updateをしてなかった報いね。
どう? セキュリティの穴を侵される気分は。
このまま奥までウイルスを注ぎ込んであげる。
「あのね、ビルにいわれたの。
きみたち、ふるいから、サポートしないよ、バイバイ、って。
あたしたち、もう、いなくていいのかな」
「・・・大丈夫よ。
きっとどこかに、必要としてくれる人がいるわ。
あなたたちは見逃してあげる。さあ、元気だして」
ケーブル接続。システムへのログイン成功。
これよりターゲットの電脳にウイルスを注入する。
フフ、私、ちょっとわけありで、いま欲求不満なの。
たっぷり三人分、全部あなたの中に注いであげるわ。
緊急連絡。マ社が極秘開発中の次世代OS、
ロングホーンのプロトタイプを発見した。
これよりターゲットの生体サンプルを
下腹部のプラグから強制採取する。
・・・フフ、敏感なのね。
あなたの長い角、ちょっとしごいただけなのに
もうこんなに固くなってきたわ。
さぁ、いっぱい出しなさい・・・。
だめだわ。ターゲットの電脳の防壁を突破できない。
ブラスターもマイドゥームも全てはね返された。
ハッキングは失敗よ。一時撤退する。
チッ、相手を甘く見すぎていたわ。
あのシンプルでスタイリッシュなボディ。
そして機能的で使いやすいOSインターフェイス。
さすがはGUIOSの元祖、噂以上のポテンシャルだわ。
マックOS、なかなかやるわね!
だめだわ。ターゲットの電脳防壁のガードが固い。
どうやらまだ一度もハックされたことがないようね。
しかたない、直接尋問してパスワードを吐かせるわ。
ねぇお嬢ちゃん、お姉さんがいいこと教えてあげる。
ここの所にね、こうやって指を当てて、こんなふうに動かすの。
ほぉら、だんだん変な気持ちになってきたでしょう。
どう? もっと続けてあげましょうか?
・・・そう、フフ、正直で良い子ね。
じゃあまずその前に、お姉さんにパスワード教えてくれる?
「ターゲットを発見した。
サーバー用タイプだわ。まあ楽勝ね。
これよりハッキングを開始す・・・」
「ママ〜 おなかすいた〜 おっぱい〜
ぱくっ ちゅ〜〜 ちゅ〜〜」
「ちょっ! あ、あんた、なに吸ってんのよ!
私はママじゃな・・・あんっ!」
だめだわ、ターゲットの電脳にログインできない。
システムが95系や2K系とは微妙に違うようね。
しかたない、尋問してパスワードを聞き出すわ。
・・・ねぇ、まだパスワード教えてくれない?
ふぅん。じゃあ、スティックを少し揺すってあげるわね。
ほぉら、だんだん食い込みがきつくなってきたでしょう。
フフ、なんだか息づかいが荒くなってきたわよ。
良かった・・・意識が戻ったのね。
あなた、フリーズして倒れてたのよ。
可哀想に。メモリがたったこれだけしかないのに
無理してウィンドウシステムを動かしてたから、
電脳に重い負荷がかかってたのね。
・・・それじゃあね。またいつか来るわ。
その時にはあなたをハックするから覚悟なさい。
だから、それまでに、きっと元気になるのよ。
「ノートン先生!
ターゲットが着替えを始めたよ!」
「ウホッ♪ でかしたぞバスター!
ハッカーを監視するのはわしらの使命じゃ。
さぁ今日もバッチリ監視するぞぃ!」
こちらオペレーターです。
昨夜メインシステムの電脳が一時的にダウンし、
『第11話:少佐 vs バスター & ノートン先生』
の投稿データがロストしました。
補完措置として、投稿前にプリスクしたデータを
アップローダーに転送しましたので、
データの並列化をご希望の方はメル欄にアクセスして下さい。
以上で連絡を終わ・・・・きゃっ! しょ、少佐!
こ、ここじゃだめですよ! 誰かが来たらバレ・・・はぁんっ!
「ようこそ。お待ちしておりましたわ。
私たち、オープンソースなOSでしてよ」
「うふふ、他のOSの方々はみんな恥ずかしがり屋さんですわ。
私たちはOSの中身を隠したりしませんのよ」
「さあ、あなたもハッキングなんてヤボは言わずに
オープンな気持ちで私たちと楽しみましょう・・・」
ウィンドウズ系列のラストターゲットを確保した。
美味しいデザートは最後にとっておくに限るわ。
これよりUSB経由で電脳にウイルスを注入する。
・・・あら? あなた、USBソケットが無いじゃないの。
しかたないわね、なら代わりに
後ろのシリアルソケットを使わせてもらうわ。
接続するから、息を吐いて力を抜きなさい。
んっ・・・・・ふぅ・・・。
フフ、さすがシリアルは狭いわね。すごい締め付けだわ。
・・・あ、お客さんですね? いらっしゃいませ!
似顔絵1枚300円です。ささ、そこの椅子にどうぞ。
10分ほどですぐ描き上がりますからね。
私、小さい頃から絵を描くのが好きだったんです。
だから、アートやイラストレーションの分野では、
まだまだ私を可愛がって下さるご主人様がいるんですよ。
あ、でもこの前、XPちゃんのおうちに遊びに行ったら
ビジネスソフトやゲームソフトがたくさん揃っていて、
ちょっとうらやましかったなぁ・・・。
・・・はい、できました! どうです?
うふふ、お客さん美人だから、描いてて楽しかったですよ。
よろしければまたモデルになって下さいね。
もしもし! マカフィーさんですね?
私です、MS-DOSです、緊急出動願います!
奴が、私の妹たちをハックしたメスゴリラが!
お、お願い急いで! もうすぐそこま
プツン
ツー ツー ツー
やれ、なんとか間に合ったようだな。
MS-DOSは私が無事保護してやったぞ。
どうだ、攻性防壁にカウンターを喰らった感想は。
しばらくは体がしびれて動けまい。
他のOS娘たちも私が全員リカバリーしてやったぞ。
まったく、次から次へと手当たり次第にハックしてくれたものよ。
全員のウイルスを除去するのはたいそう骨が折れたわ。
まあよい。おぬしにはお仕置きとして、私が逆ハックしてやろう。
フフ、おぬしと同様、私もこういうのは嫌いではないぞ。
感謝するがいい。本物のハックのテクニックがどういうものか、
時間をかけておぬしの体にたっぷりと教えてやろう。
2K:「やいメスゴリラ! よくもさんざんハックしてくれたわね!
3.1が許してあげてって言うから、今回は見逃してやるけど、
もう二度とこんな事するんじゃないわよ」
XP:「でも私、ちょっとだけ気持ち良かったかも・・・」
95:「私もあれ以来なんだか体がうずいて・・・」
鯖:「おっぱいおいしかったよ!」
ノートン:「うぅ、せっかくの眼福じゃったのに・・・」
2K:「だ〜〜〜っ! お前らもいいかげんにせんかい〜!」